2.家族信託・民事信託(ペット信託)

成年後見制度は既に判断能力が低下してしまった人をサポートする制度ですが、家族信託は、判断能力はまだ衰えていないけれど、年齢や疾病などの理由から、そうなってしまったときに備えたい、という方にお勧めするしくみです。

判断能力があるうちに、信頼できるご家族に大切な財産を託すことにより、たとえ認知症などによって判断能力が低下してしまっても、ご本人やご家族のご希望どおりに財産を管理・運用することが可能です。生前の財産管理から相続発生後の資産承継まで、信託契約の作り方によってはとても柔軟な活用ができます。

なにを、だれに、どのような思いで託すのかは、人それぞれです。

信頼できる家族に託したいと思う財産は、お金や不動産だけでなく、築き上げた会社や事業、家族の一員であるペットなど、様々なものがあります。また、なんらかの対策を講じておきたいと思う理由も、ご自身の介護の心配だけでなく、自分がいなくなってしまったら困るであろう家族がいるとか、財産をめぐる争いが起こりそうだとか、これもまた様々です。

死んだあとに有効になる遺言でもなく、判断能力が低下したあとの後見制度でもなく、今すぐとりかかることのできる方法を探している方は、是非、家族信託をご検討ください。

家族信託のご利用の流れ

  1. 詳細な状況についてのヒアリング
  2. 方針の検討・確定
  3. 必要書類の収集
  4. 信託契約書の文案作成
  5. 公証役場との事前調整
  6. 公証人の面前での公正証書作成
  7. 信託財産の受託者への移動
  8. 受託者による管理の開始

費用について

コンサルティング費用の他に想定される費用は、次のとおりです。

  1. 公正証書作成費用
    信託は、託す人=委託者と、託された人=受託者との契約により開始することになりますが、この契約を締結するにあたっては公正証書で作成することが望ましいです。
  2. 託す財産の中に不動産がある場合の登記費用
    不動産の評価額を基準として、土地は0.3%、建物は0.4%の登録免許税がかかります。
信託財産の評価額 報酬額(税別) 公証役場の手数料概算
1,000万円超 1億円以下 0.70% 3万円~8万円程度
1億円超 3億円以下 0.3%+40万円 8万円~15万円程度
3億円超 5億円以下 0.2%+70万円 15万円~
5億円超 0.1%+120万円
必要書類収集 必要書類収集を参照してください。